営利→悪? 非営利→善?? 突っ込みどころ満載の記事へ物申す

先日、某新聞紙面において2日間にわたり、放課後等デイサービスを経営している企業が突然倒産して利用している子ども達が行き場を失ったという記事を読んだ。

なるほどと思えるところもあった。しかし読み返すほどに違和感を感じる記事、そして偏重している内容に思えたので批判覚悟でブログを書くこととした。

まずは、倒産した会社が営利法人であったことで「企業の倫理で福祉が投げ出されてしまった」といったコメント。はたしてそうであろうか?一つの企業がそのような事態に陥ったからと言ってそれが全ての企業に当てはまるのだろうか。さらには営利企業だけが福祉を悪くしてきたのであろうか。(ちなみに名古屋市では、放課後等デイサービスが児童デイサービスと呼ばれていた、報酬単価が低かった非常に経営的にも厳しい時代に営利企業も一緒に支えてきていることを補足しておく)

福祉の世界においては多少なりとも何故かこのような図式があるみたいで失笑してしまう。

非営利法人(社会福祉法人やNPO法人等)⇒善

営利法人 (株式会社等       )⇒悪

特にこう考えているのはごく一部ではあるが非営利法人の方々が多い。

そして、福祉に関わる人の中にこんな考え方を持っている人が未だにいたと思うとこれまた失笑してしまう。

確かに営利法人の中には営利追求に走り良いとは思えないサービスを提供していると会社もある。しかし、それは一部にすぎない。私が知っている営利法人として活動されている方々は利用者様の事を思い、一生懸命頑張っておられる方ばかりである。

では、非営利法人はどうであろうか。もちろん営利企業と同様に、その理念に基づいて頑張っている事業所がほとんどである。しかし中には「理念は立派でも実情はいかがなものか」また「その法人形態を隠れ蓑にして脱税まがいの事や寄付金を趣味で集めた上不明瞭な運営を行っている」「非営利法人と言いながら本当に非営利?」などといった法人があることも確かである。今回は営利法人が倒産といった件ではあるが、不正請求で指定取り消し等になったNPOがあるのも事実である。要は残念ながら非営利法人といった名称・形態を悪用している法人も少なからず存在するということである。

今回は営利法人がこのような事案を起こしてしまったことは間違いない事実である。しかし今回のような件は営利・非営利問わず起こり得るということである。「営利法人が福祉に参入してきたからこのような事が起こった」みたいなことを発言するのはそれこそ不見識も甚だしいと言わざるを得ない。

非営利法人だけで全てが行えるとでも思っているのであろうか。前述したように営利企業の中には素晴らしい多くの事業所がある、もちろんフランチャイズ化しているところにおいてもである。様々な事業形態の事業所が切磋琢磨していくことでサービス内容が向上し、それにより淘汰される事業所が出てくることも当然のことである。(だからと言って突然の倒産でご利用者様が不利益を生ずることがあってはならない)

非営利法人は税制面での優遇や補助金、○○時間テレビやと△△財団さんからの送迎車等の車両の提供他、営利企業にはない様々な優遇措置がある。繰り返すが同じ事業を運営していても営利企業にはその様な措置はない。それだけの優遇制度があるのであれば営利法人より当然秀でたサービスを提供できるであろうと思われるが実際はそうとも限らない。優遇面の恩恵をただ受けているだけで?が付くような運営をしている事業所もみられる、とても残念な事である。しかしそれは一部の法人であり多くはとても頑張っておられる。

営利法人であれ非営利法人であれ(今回は営利法人)一部の物事を取り上げてそれがすべてに当てはめていくような考えはいかがなものだろうか。不見識で偏った発言をすることにより利用している方々の不安を助長し、社会に誤解を招く発言は厳に慎むべきである。(実際小生に多くの不満や問い合わせの連絡をいただいた)

この記事は上下に分かれており他にも突っ込みどころ満載。重度障害児(紙面ママ)だけが行き場を失ったように書かれているが実際はそうではない...他の事業所もご尽力を...などなど、まだまだ書きたいことはあるが膨大になるので今回はこれでやめておこうと思う。

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